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弊社技術顧問の持つノウハウや最新の動向を、少しだけみなさまにご紹介するレポートです。

カテゴリー「アドバイザーレポート」の記事

<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第7回~ 収支の改善⑥

2010 年 8 月 5 日 木曜日

3)歩留まりが悪くなる原因
①原料由来
 ◎整形が基準どおりでない。
 ◎血合い、あたりが多い。
 ◎肉質が悪い。(しまり、肉色)
 【対策】
 ・都度、クレーム報告を行い必ず画像、現品を添える。返品は少量でも必ず行い、返品伝票を必ず計上することです。(クレーム報告は行うが赤伝まで発行するセンターは以外と少ない)
 ・定期的に原料納入業者と検品会を行い「目あわせ」「規格確認」を行います。
 この場合、原料業者の営業窓口担当者では、産地に正確に伝わらないので、必ず現地のカット、整形がわかる人に出席をお願いします。


②製造現場由来
 ◎必要以上に整形をする。
 【対策】
 この場合、センターでの整形基準が明確にされていない場合、またはあっても、作業者に周知徹底されていない場合が多く自分流の作業をしている人が多くいます。
 まず、規格書、基準書どおりの作業をしているかを確認してみることです。
 【具体例】
 ・あるセンターでUSポークCCロインの整形は基準がなく、ドリップを拭いた原料を脂を除去したり等の整形していました。リーダー会議で規格は国産より数段良く、そのまま使用しても問題ないと決定し、ドリップを拭いてそのまま使用できることとしました。
 ・国産豚バラの整形でスライス原料をバラブロックと同じく骨肌、甘皮まで除去する作業がいつのまにか定着していました。基準書は残骨のみの除去となっているのに、過剰整形となっていました。これは、整形ラインで時間の余裕がありすぎるのと、作業者の教育不足が原因でした。

 ◎商品を規格書どおり作っていない。(過剰品質)
 センターで日々品質向上を目指している中で、お店からのクレームに対して過剰に反応して良すぎる商品を作る場合があります。
 センターは基本的に規格書、基準書どおりの商品を安定して供給することが使命です。
 そのためには規格、基準を明確にすることと社員が現場に周知徹底することです。



<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第6回~ 収支の改善⑤

2010 年 4 月 15 日 木曜日


3、歩留まり改善による収入増加計画

1)歩留まりの重要性の認識
豚肉で歩留まりが1%下がると、センターでの損失は莫大なものとなります。
豚肉で@800/kgものが歩留まり90%で、出来た製品の単価は@889となります。もし歩留まりが89%になった場合は製品単価@899となり、コストが@10円/kg上がります。月間150トンの原料を使っているセンターだと月間150万円損をしていることになります。
ここで注意しなければならないのは、良品(ローススライス、とんかつ用)と小間肉、ミンチ用端材の合計で歩留まりを管理しても意味がありません。あくまで良品のみの歩留まりを管理します。
小間肉、ミンチ用端材は評価しても@400位で良品の半値以下だからです。

2)歩留まりの計測
歩留まり測定は、サンプルで作業テーブルで取ったデータは、あまり現実的では、ありません。
あくまで、ラインで流したものが、正確なデータです。
良品歩留まりは良品のできた実績(値付けデータ)から取れますので、投入原料の記録があれば毎日算出できます。小間肉や端材、脂はどのラインから出たものか、毎日取るわけには行きません。





小間肉、端材、脂肪の各ラインの重量の計量や記録は3ヶ月に1回とか、半年に1回とか決めて実施します。
新規アイテムの場合は、初日にラインテストを行い、全部のデータを取ります。
良品歩留まりは、毎日でも出せます。もし特定の日の歩留まりが極端に悪かった場合は、必ず何か原因
があるはずです。管理社員の歩留まりの把握は最重要な仕事の一つです。




<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第5回~ 収支の改善④

2009 年 10 月 14 日 水曜日

2、生産工程の見直し

PCでの生産工程は大きく分けて2通りあります。
 
1)包装・値付けの能率を重視したバッチ式生産
この方法は製造年月日をD+0にするために用いられている方法で多くのセンターが行っています。
製造は昼間行い、包装・値付けは午前0時から開始します。※法律では、包装した日時が製造日となる。この方法の長所は値付け機の能力を最大限に出せることです。通常100SKU位であれば1ライン1,200パック/1時間流せます。年末等SKUが少なく大量に流す場合は2,000パック以上流すセンターもあります。
欠点は作業工程が増えるということです。盛り付けした商品をコンテナに入れ、上にショーレックス(中圧紙)をかぶせ、冷蔵庫に保管したり、また包装・値付けの時は出したりする工程があります。
また、昼勤と夜勤に分かれるため各々の管理者が必要となり、人件費は大きくなります。
昨今、表示間違い(部位名、産地、添加物等)の回収事故の報告が多くありますが、この大事な値付けのラインを夜勤のため外注している現実が多くあります。
 
2)全体の工程数を少なくなる、製造から包装・値付けを一通にする方式
 生産性を重視し、盛り付け後すぐに包装・値付けを行う方法です。工程が減ることで1人当たりの生産性は大きく向上します。また昼勤・夜勤に分かれないため人件費が少なくてすみます。
 欠点は包装・値付けラインの能率が出せないため、多くの包装・値付けラインが必要となり、その面積や人員が増えます。大型PCセンターでは複数のスライサーをコンベアでつなぎ、包装・値付けラインに直結して包装・値付けラインの効率を上げています。
 水産PCでは包装ラインの横に縁側の作業台をつけて盛り付けながら包装・値付けをするのが主流です。
 この場合D+0の包装・値付けは無理です。法律では現状、生鮮品は消費年月日の表示しか決められていません。従って消費年月日のみの表示をすることは問題ありません。
 消費期限の設定はガイドラインにそって各会社で科学的データ(微生物検査、官能テスト)によって決めます。盛り付け即値付けの商品の貯性時間スタートは原料の開封からと決めると良いでしょう。
 
3)少数アイテムに対応した、屋台式製造
 味付け品や鍋セット、焼肉セットなどで50パック未満の製造の時は、ラインで流して何人もが盛り付けするより、机で手の届く範囲に主原料、副原料、資材を置いて製造します。
 この場合、調味料やスパイス等がある場合コンダミに注意し、場所を分けるか、時間をずらす事が重要です。副原料の消費期限に注意をはらってください。
 この場合は①のバッチ式包装値付けとなります。
 
<続く・・・>





本格的価格革命始まる

2009 年 9 月 1 日 火曜日


 世界的不況が叫ばれ、消費不振が続いている。西友を筆頭に、イトーヨーカ堂、イオンが続き、コンビニエンス業界まで参戦し、世はまさに価格破壊時代に突入した。

 当社は常々、「この国の流通コストは高すぎる。消費税値上げ分程度は流通だけで捻出できる。」と主張してきたが、いよいよ現実味を帯びてきた。理屈はどうあれ、消費者にとって価格低減は望ましいが、流通業者にとっては生き残りを掛けた戦いとなる。本稿では当社が得意とする食品分野に的を絞って述べる。


コスト削減のできない者はこの価格革命で消え去る

 どの業者も否応なく価格戦争に巻き込まれる訳であるが、当然のことながら、損する商売は続かない。コスト削減ができない企業は淘汰される運命に曝される。そこで、仕入改革、生産性改善、ロス削減が始まるが、従来の取引慣行、業務ルールが前提では限界がある。

 現行制度下でできることは既にやり尽くした感がある。従って、今後、生き残りたい者は発想の転換(いわゆるパラダイム転換)を行い、例外なき、改革に取り組む必要に迫られる。

 大手量販店、外食企業の仕入改革が上流の改革を加速する当社が得意とする食品分野に絞って述べると、食品の60%を占める生鮮食品で勝負が決まる。何故なら、一般食品は既に、激しい競合の中で卸売業者の統合、システム化が進展しており、改善の余地は多いとは言えない。これに比べ、生鮮食品分野は卸売市場経由が多く、関与する業者数が多い。収穫量の変動が大きく、規格・価格がぶれ易いので、見て流通させる慣行が定着し、また、リスクの分散を図るために業者数が多くなる
のであるが、価格破壊がこれらの慣行・制度を破壊する時期が近づいている。今後の仕入改革の方向性をまとめると、次の通りになると推察される。

 ①生産者と需要家の間で取引に関与する業者数の削減(消費者直も含めて)
 ②生産履歴を不明確にする規格選別の縮減と規格外商品の消費地への流通
 ③生産者-消費者間の最短ルート、高鮮度定温物流の構築
 ④業種別流通から業態別流通へ(例:青果物卸→フルライン卸)
 ⑤電子取引による取引コストの低減と正確化、多情報化、高速化
 ⑥大口特定多数間における電子取引所

 いづれも既存の卸売市場制度を凌駕する内容であり(当事者を無視するものではない)、この改革を推進できる者はメリットの大きい大手量販店、外食企業以外では難しいだろう。


業務改革なしに大きな成果なし、データに基づかずして業務改革なし
 当社は「仕事測る君」「動作測る君」等の作業測定ツールを用いた生産性改善を業としているが、当社実績では平均16%位の効率化が達成されている。このデータを聞いて、「そんなに改善できる筈がない。」「元の出来が悪かったのだ。」という反論がでると思うが、真実である。

 当社のやり方は現状を肯定して①無駄を削る②作業速度を上げる だけでなく、作業測定のによって現システムの問題点を定量的に捉え、場合によっては現状を否定し、システムを手直しするから成果が大きいのである。定性的観念論だけでは説得力、納得力が足りず、当るも八卦当らぬも八卦で危険極まりないが、データを解析し、合理的にアプローチするから依頼者も業務改革に踏み込めるのである。しかし抜本的改革(革命)は信念なしにはできない。

 現在の事業の構造を前提にすると上に述べた業務改革までで、経験的には20%位の改善が限界と思われる。更にと言われれば、事業の構造に踏み込むしかなくなる。生鮮小売業で言えば、インストア型マーチャンダイジングからセンター型マーチャンダイジングに切り替える等、施設配置・構造、人員配置・機能、業務ルールを一新する程の改革が抜本的改革に該当する。このような大改革は理屈では証明しにくく、経営者の信念によるしかない。敢えて言えば、先行して成功した者の経験を信じて清水の舞台から飛び降りるしかない。当社が唱える生鮮ベンダーシステムがこの部類である。採用者は収益力で業界トップまで上り詰めたが、それでも追随者がなかなかでないのが現実である。


まずはデータに基づく事業管理を

 とは言うものの多くの企業で業務改革すらそう簡単にできるものではない。千里の道も一歩からというように最初の一歩が大事である。特に社員の多い企業では社長1人では思い通り組織が動かず、面従腹背が横行する。御輿を担いでいるふりをしてぶら下がっている者が跋扈するのが通例である。
コンサルタントとして当社ではまず、作業改善をテーマにデータに基づいて論議することから始めるよう顧客に勧めている。実測データという合理的物差しで社員のベクトルを合わせることから始めるのである。具体的には、小さな業務改善を作業測定とデータ解析で行うのである。うまく行けば、更にもう一歩と駒を進めるのである。この過程でやる気のある者、向いた者が判明し、成果の積み重ねが当該社員だけでなく他の社員まで奮い立たせ、次第に自ら改善に取り組むようになる。その段階でリーダーの先見性、信念が発揮できる環境が熟成される。


金治達雄
株式会社シスコム 代表取締役
生鮮食品の流通加工センターの企画から設計、建設、運用及び稼動後の生産性改善のコンサルタントとして数多くの実績。同時に作業効率測定用のソフト開発・販売を行う。
生鮮ベンダー協会 事務局
平井カンパニー 技術顧問
株式会社シスコムのウエッブサイト



<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第4回~ 収支の改善③

2009 年 6 月 22 日 月曜日

(3)生産月報
 生産日報を毎日「Excel」の表に打ち込み、月間累計を作ると立派な「月報」となります。

 月報では数字で実績も取れるもので必要なものは、加工してデータとして見れるようにします。
 月報にはこの能率の他「クレーム報告」「クレームの分類や実施した対策」や「歩留まり月報」等必要なものをコンパクトにまとめます。社員、パートさん全員で共有化します。
 月報での必要項目は「品質管理」「製造(能率・歩留まり)」「施設・工務」等、会社によってさまざまですが、必要なものだけをデータとして記録に残すことが重要です。

<掲示用グラフ(参考)>
 啓蒙活動のために全員が見られる場所に掲示します。

<続く・・・>




<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第3回~ 収支の改善②

2009 年 3 月 16 日 月曜日

(2)製造見積もり
各ライン長が自分のラインの能率を把握でき、もっと省力化ができる可能性を見つけた時点で次のステップ「製造見積もり」の仕組みを取り入れました。

毎日の製造作業開始前の朝礼でこの表をホワイトボードに書き、社員、主要パートさんで当日の発注を確認しをします。

 次に各ライン長が自分のラインの製造終了見積もりを発表し記載します。各ライン長の発表が終わった時点で、作業が遅れるラインに対し、応援人員を出すことをみんなで決めます。それは、最初からの応援と自分のラインのメドがたってからの応援とがあります。

 作業終了後、実際の終了時間と実際の生産性を記入し、各ライン長で簡単な反省会を行います。
 このホワイトボードをコピーできるもので行うと、そのコピーが「生産日報」にそのまま使えます。
この場合、特記事項欄をもうけ、「特売情報」「原料情報(鮮度、整形、異物、返品等)」「イレギュラー休暇人員名」等、必要と思われる項目を記入できる様にしておきます。

 ※値付けデータとリンクさせると、kgあたりや金額が加味されます。自分たちの必要とするデータ数値を取ることができます。
 Kg/h(kg当たり生産性)は年末の大型パックが多い場合の生産能力や終了時間の予測の時に使います。

<・・・続く>



<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第2回~ 収支の改善①

2009 年 2 月 4 日 水曜日

 
1、生産性改善による人件費の削減

【実例】ある新しく開設したPCセンターでどうしても、コストが下がりませんでした。
人件費が計画数値の2倍近くかかっていました。現場責任者は、みんな忙しく働いているのに、人の削減を行うと1便しめきりに間に合わないと主張しました。

(1)実態調査
 そこで、下記の帳票を日々作成して、そのときの実態を数字で取り続けました。

 ※清掃、仕分け、原料入荷検品等共通作業は入っていません。

ここで、このセンターは1人、1時間当たり39.7パック製造していることが分かりました。
このデータを1ヶ月蓄積してみると現状の大体の能率と下記のことが分かってきました。
 ① 前月末の出勤計画で出勤人数が固定してしまっている。
 ② 発注が少なかったライン、暇なラインは余分な仕事を見つけたり、作っていた。
 ③ 各ラインの終了時間を同じくし、全員で清掃洗浄を行うので、待ちの人間でも時間給を払わざるを得ない。
 ④ 発注が突然多く来ても終了時間は同じで能率が大きく上がる。
 ⑤ 繁忙日と同じ人数が出勤している通常日が多かった。
 ⑥ 深夜のパートさん(特に外国人労働者)は、収入増を望んでおり、残業をしたがる傾向にある。
  
対策として生産会議で次のことを決めました。
 ① 出勤計画は現状の生産性をもとに、曜日ごとに計算して作る。
 ② ミンチラインは早く終わる傾向にあるので、出勤して2時間は整形・切り身ラインに入る。
 ③ 洗浄・清掃は製造とは別にして、外注化を検討する。製造パートさんは終わりじまいとする。
 ③ パートさんが辞めた場合、当面補充採用はせず、現状の人員の中からやりくりする。
 ④ 各ラインは現状の生産性をもとに目標生産性を掲げ、作業時間短縮をする。

<・・・続く>




<シリーズ>PC現場での生産改善 ~第1回~ はじめに

2008 年 12 月 8 日 月曜日

はじめに

 PCセンター勤務の皆様、365日、24時間の職場での勤務ご苦労様です。

畜産・水産のPCセンターの社員の仕事は何ですか?と聞かれた場合、答えるのに困る人がいても不思議ではありません。それほど仕事の中身は広範囲にわたり、奥深いものがあります。

 若手社員に聞いたところ
1) 品質管理です
2) 上司の指示・命令に忠実に従います
3) パートさんの労務管理です
4) コスト削減です
等の答えが返ってきます。

会社(PCセンター)の共通の目標は大きく下記に整理されると思われます。

1) 顧客満足
 ①品質(異物がないこと、鮮度が良いこと、表示間違いがないこと、見映えが良いこと等)
 ②コスト
 ③お客様の層に合わせた品揃え

2) 永続性
 いくら顧客満足ができても、採算があっていなかったら、その組織は続きません。

3) 社員満足
 皆さんが働きやすく楽しい職場、やりがいのある職場

4) 法の遵守

PCセンターをよりよくするためには「改善サイクルの輪」が回る組織にすることです。これをわかりやすく、なるべく数字で表して、その方法を具体例をあげながら説明して行きます。
 ベテランの方は、当然今まで体得してわかっておられると思いますが、この文章をツールとして活用され、若手社員やパートさんと共通認識をもてると組織の一体感は高まります。また自分のノウハウを皆さんに伝授する絶好の機会となると思います。

<続く・・・>




2008年 年末商戦重点販売商品提案

2008 年 11 月 7 日 金曜日

 

年末商戦は、「クリスマス」「年末」「年始」を区分してメリハリのある展開を行い、期間毎に綿密な商品投入・商品展開・売場づくりの計画を立て、魅力的な店作りを行いましょう!

 
期間毎にテーマを掲げ、強化すべき商品カテゴリーをレポートにまとめました。

ご参照くだされば幸いです。

年末商戦重点販売商品提案(PDFファイル)









量販店業界の生鮮加工センターブーム再燃。その背景は

2008 年 8 月 1 日 金曜日

量販店業界の生鮮加工センターブーム再燃。その背景は?

この15年生鮮加工センターの建設は殆どなく、冬の時代が続いたが、今、量販店業界、特に関東圏の年商500億円以上の量販店で生鮮加工センターの新設・増設計画が目白押しとなっている。その背景について述べたい。

1. 経済停滞、少子高齢化で消費者の所得が増えない中、国際的に物価高で、消費者の価格志向が強まっており、奇麗事抜きで低コスト化が必要になった。

2. 過剰出店により店舗バブルというべき状況の中、個店の売上が減り、売上対比の経費率が上昇してきた。また、インストア加工を維持する上で必要悪であったサービス残業が許されなくなり、インストアのコスト高が表面化してきた。

3. 小回りがきく代わりに独自性が強く本部の統制の利きにくいインストア加工では不正表示等の法令順守が個々人に依存するので、1店の行為が全店に及ぶマスコミ時代で安心安全に厳しくなった消費者に対応できなくなった。

4. センターマシーンと言われる日本キャリアのミンスパッカー、A to Z、A toX等、インストア加工に対する優位性をもつ機材開発が進んできた。人的生産性だけでなく、歩留り面でのメリットも得られるようになった。

5. 消費期限表示が一般化し、加工場を店舗から離す余地がでた。

6. 家電、衣料、雑貨をカテゴリーキラーに取られたスーパー業界が食品指向する中で、生鮮加工センターをもつ企業の経営力が目立ってきた。(特に日流グループの加盟企業)

7. ウォルマートに対抗すべく全国的なセンター網の構築に突き進むイオンの戦略に対する理解が進んできた。(=市場外流通化、直接物流化)

 

今後の生鮮加工センターのあるべき姿とは?

市場環境、技術環境が変化したのにセンターが従来型であっていい筈がない。今後の生鮮加工センターに求められる条件を列記すると次の通り。

○ 経費生産性がインストアより高いこと。(=経費率が低いこと)
従来のセンターの人的生産性は60P/人時と大型店のインストアに劣り、これをパート比率等でカバーしてきたが、今後は機械化を前提に70P/人時以上に挑戦せねばならない。また、機械化して経費当り生産性を向上させるためには、人的生産性だけでなく稼働時間を最大化(24時間化)する必要がある。

○ 加工歩留り、販売ロスでインストア加工に勝ること
歩留りについてもインストアより2~3%、販売ロスも2~3%上回ることが求められる。元々センター化すると前述の改善があるとされているが、今後は更にセンター加工に向いた商品仕様、原料規格の設定の他、センター供給に向いた売り方を研究し、更なる向上を目指すべきである。(=センター型マーチャンダイジング)

○ 日持ち努力を行うこと
過去においては「センターは鮮度面でインストア加工には敵わない」とされてきたが、近年コールドチェーンの徹底と施設内の衛生管理の向上によって、同等水準まで達成されてきた。これを踏まえて更なる改善によってインストアより日持ちする状況を作り出すことが求められる。そのためには、加工室の低温化だけでなく、ガスパックの利用、冷凍化等も視野にいれる必要がある。即ち、生鮮食品のメーカー商品化が課題となる。

○ 高付加価値商品の開発
一般的商品については、より安くを訴求せざるを得ないが、これだけでは面白みのないビジネスになってしまうので、高付加価値商品の開発が欠かせない。組み合わせ商品、保存料抜き商品、手作り等、流通過程で作るメーカー商品にチャンスがあろう。

○ フルライン化と積載率の向上
生鮮食品フルライン化によって配送効率が向上するのは当然のこととして今後は便別最適組み合わせによって更なる効率向上が必要である。フルライン化に際しては元々嵩だかで配送効率が悪い青果の取り扱いが課題となる。

 

金治達雄
株式会社シスコム 代表取締役
生鮮食品の流通加工センターの企画から設計、建設、運用及び稼動後の生産性改善のコンサルタントとして数多くの実績。同時に作業効率測定用のソフト開発・販売を行う。
生鮮ベンダー協会 事務局
平井カンパニー 技術顧問
株式会社シスコムのウエッブサイト